“ マジすか学園5 #12 最終回 ”

さてさて、ついに来ました最終回。

 

いかがわしい人達の集まるパーティに乗り込み、囚われたマジックを取り戻そうとしたさくら達がマフィアとの銃撃戦へ突入した前回。ほとんどの生徒が撃たれおそらく死亡した。

 

今回はその続きから始まるのかなぁと思いきや、シーンは何故かマジ女を辞めさせられた校長先生のお宅から。

校長先生が部屋へ戻るとそこにいたのはなんとセンター。
驚く校長先生だったがセンターは思いもよらない一言を告げる。

 

何故ソルトを殺したのですか? と。

 

…えーっと、校長先生が犯人だったんですか?

 

思わず絶句。

 

何も言えねえ。

 

しかもマジ女にヤンキーはいらない、良妻賢母のお嬢様学校だという動機に、

 

は?

 

何、自分が学生時代はお嬢様学校だったとか?しかし頭だけ潰して何になる?やるなら全員やれよ。加えて腐ったみかん論を展開するならソルト一人だけを殺すのは理論的にも不可解。
よって真偽の程はわからないが、取ってつけた話になってしまっている。この人は実行犯で黒幕は別にいるのか?とか思ったけどもうほとんど死んじゃってんだよね。

 

とりあえずOPからくだなない展開。まさか三ヶ月待ってこんなしょんびたストーリーしか書けんとは。
全然関係ないトコで今回の一件は始まったって流れになるのか?

 

OP明け、最後まで残ったのはさくらとおたべ、かと思いきやマフィアのボスに最後の最後で撃たれたおたべ。
結局さくらしか残らなかった。

 

だがそこへかけつけた警察に包囲されたさくら。死んでいった仲間の亡霊とともに歩みを進める。

 

もうここは時間稼ぎだな、完全に。

 

しかも何故か銃を捨てないさくら。警察へ向けて銃を向ける。
もう一緒に死ぬ気なのか?とか思ってしまうが、それでも日本の警察はあんな一斉射撃しないよ。
最後に署長さんが都合よく出てきて何か言ったけど、それでも殺さないよ、日本の警察は。スナイパーが銃だけ撃てれば撃って捕らえるよ。

結果、さくらも警察に撃たれて見事に死んだ。

 

そして END 

 

…初回から言ってるが(多分)やりたいシーンとりあえず詰め込んだだけになっちゃったよ。
最後の予想は前々回書いたとおり全員死亡で一応当たったけどやはりこの程度か。

後日談の賛否は人によるが、事件の発端となったソルトの死が全く関係ないところだったのにははっきり言って萎えた。

 

そしてしれーっとセンターだけ生き残った。主要メンバーじゃないからいいよね、って話には全然なんなくて、

 

この人殺人犯だからね。


殺人をしておいてどうなったか分かんない終わらせ方はドラマとしての最低限の倫理すらなくなっている。

作者はセオリーというものを嫌っておられるのかもしれないが、何でもかんでも今までにない展開=斬新ではない。

 

総括:
開始当初から思っていたとおり、最後までカッコいいシーンの詰め合わせセットになった。

・演出、カメラワークについて
今回、地上波でなくなったためか予算が跳ね上がったであろうことは素人でも分かる。そこから見て脇役の俳優陣を使うことが出来かなりドラマを締めたことは間違いない。
特にやべきょうすけさん(陣山)。

一番AKBメンバーとの絡みが多く緩くなるかと思いきやそこはプロ、ザ・ヤクザを好演。他にも俳優の方は当たり前だがほぼ素人との格の違いを見せつけた。
演技って上手い人と下手な人が混ざると下手な人に引っ張られるらしいのだが、
なんだか逆にメンバーの下手さが際立った格好になった。

当初から映像が暗いと批判があったが、テイストを考えれば通常のドラマのようにはっきりくっきり見せるよりあっていたと思う。

 

・次に演技について
ここは専門外なのでよかったと思う人だけ(勿論女優レベルでの話ではなくあくまでアイドルレベルとして)。
まずは渡辺美優紀(こびー)。出番は少なかったが、陣山殺害の際の表情は迫真。まーせいぜいこの辺かな。
後、見せ場はなくとも存在感というか目立っていたのは古畑奈和(スネーク)。
設定もあるのだろうが、ほとんどが「はい、ヤンキー顔します」って顔で不自然な中、この人は見事に自然なヤンキー顔だったように見えた。
松井珠理奈(センター)に関してはもはやアイドルには見えない顔立ち。そこから見える表情に関しては雰囲気十分。しかしながらセリフがあまりにもお粗末すぎ。そこを早くクリアして女優としての道を歩んでいただきたい。

 

・そして最後にストーリーについて
そもそもこのドラマのテーマって何だったんだろう?
「悲しみ、もしくは怒りの連鎖」、よもや「友情」ではないと思うが、あ、「勘違い」か。それか、勘違いからくる「青春」。
どれもしっくりこないが、見てる側がしっくりこない時点でどうなんだろうと思う。

 まあカッコいいシーンの詰め合わせって言った時点でストーリー云々というのも意味が無いのかもしれないよね、ははは。

 

 けど少し真面目なことを言うと、ソルトの死(このドラマの始まり)と、結末までの一件が関係ないというストーリーにするならば、誰かを生き残らせなければならない。

そして生き残ったものが「この戦争の意味は何だったのか?」という『後悔』と『空虚』を感じなければドラマの意義がなくなる。

一方、誰かも残らず全員死ぬのであれば、マジ女の校庭は明智総業でも、マジ女でもない第三者が得るという抗争の無意味さを説く内容であったりしなくてはならない。

このソルトを殺した犯人については見ているほとんどが、ソルトを殺した犯人を探し、そこにすごいメンバーが出てくるのでは? と予想していたのかもしれない(多分)

だがそういう流れを読んで全く違うストーリーにしたとするならばもはやドラマではなくクイズだ。しかもヒントも何もないクイズだ。

 

色々書いてきましたが、一個一個書いたら夜が明けるのでこれくらいにしておきます。けど最後に、これって演じたメンバーの人達ってどう思ってるんだろう?

まさかマジで「誰も予想できない展開だった」とか、「ラスト、感動して泣きそうになった」とか思ってたらそいつ等全員将来ロクな作品に出会えないぞ。

なのでこの作品に出たAKBメンバー全員が、「は?」って思っていることを切に願う。

 

おしまい。