誰よりも早い? “ 緊急取調室 ” の感想。

SPドラマが続くここ最近、今日は緊急取調室がスペシャルでありました。

 

ストーリーは仮出所した女性聖美(松下由樹さん)が3時間後に殺人を犯したと警視庁へ出頭した。が、殺された被害者は死後一週間から十日経っているというもので殺人が不可能だったというもの。

そして容疑者聖美が願い出たのは取り調べを中継してほしいというもの。これはまた斬新な設定ですね。

 

しかし私が一番気になったのは開始まもなく、出頭した聖美の自供から出所後カレーをカフェで食べたというものがあったのだが、この裏取りのシーンが全く出てこないところだ。こんなもの一番最初に行うことだろうと思う。

出所後の足取りを追い、刑務所近くのコンビニで監視カメラを確認したり、被害者の通っていたバーにまで行っているのにカレーを食べた裏を取っていないのか?と思う。
被害者と出会った場所と供述しているのにそんなことありえない。もしかして、

 

これは触れちゃいけないのかな? 

 

とか言ってるうちにもう一人聖美が殺したと自供。意味的にはまー同じ。服役中で殺せないはずなのに供述通りの死体が発見される。このコトがきっかけで中盤、取り調べをインターネット中継で行うということを了解した警察。そんなことって法律的に問題なかったんだ。へー。

 

そして肝心の取り調べ中継。
大して身のある話してないんだよな。もっと他に聞くことあるだろ真壁さん。挙句の果てに聖美狂ったように警察は無能だとか言って騒ぎ立ててるし。けどワザと何にも聞いてないセリフ回しなんだよな。もう少し外堀埋める聞き方しねえか普通?素人の私でももっとまともなこと聞くって。
聖美の設定とすれば狂ったフリをしたり、洗いざらい話すとか言って話さなくっても卑怯でいいんだけど。

それこそカレー食った話とかさ(因みに一時間経ってもそこんトコのシーンはない)。

 

おっとそうこうしてると真壁さんの娘さんが学校で友達と一悶着あったようだ。中学生のようだがこれはなかなか興味深い。何故もめたか、理由がわかれば苦労しない。つまり自分でも友達と揉めた理由がわからないのだろう。中学の頃だとこういうことはあるあるだ。ぼかしてるのかもしれないが、うまいと思う。
これが事件解決のヒントになりうるのか?
わざとらしく挟んできたのには意味があるのだろう。

 

さてさて、ここからクライマックス。
残り30分のところで事件の全貌が判明した。
なんと聖美が2つの事件の犯行を被っていたそうです。


聖美は何故そんな自己犠牲をしたのか…?

 

それは6年前に捕まった時、実は自分は殺してなかったというもので、これも親友の早苗(斉藤由貴さん)の罪をかぶったと自供したのだ。

あらあら、それまで被ってたの?
けど何でそんなことをしたのか? それは親友と思っていた早苗が実はしゃーなしで友達してやってたと吐いちゃったからだ。


人を殺して本音が出たのか、助かりたい一心で吐いちゃったんだろうけど。しかしそんな事を言われたにも関わらず聖美は罪を被っちゃうのだ。それはこれで弱みが握れる、6年後、もっと上へ上がった早苗を落とすために…

 

いやいや、恐ろしい。

 

とこれで一件落着のはずだが…事件はこれで終わらなかった…。

 

二転三転したこのドラマ、展開も早く真相はどうなんだと思わせるドキドキ感。
さすが井上由美子大先生。
結局娘の話はどういう顛末だったのかは描かれておらず、事件解決のヒントではなかったのですが、ラストの真壁さんの心情と娘さんのリンクが親子だと感じさせました(おそらくそういう意図だったと思う)。個人的に気に入ったのは、

 

この世で一番強い人間の感情は嫉妬…これも名言ですね。

 

因みに今回は女の友情、友達関係というものがテーマだったように思えました。そして原因はやはり男絡みでした。女あるあるなのでしょうかね、男ってあんまり聞かないんですよね。私の周りと自分の経験談だけなのか…男は時間が経てば笑い話になる。が女は忘れていない。その辺の動機作りはよかったです。

 

最後に、大先生に対して批判をする気はないのですが、しれーっと流れました「カフェでカレー食ったか否か」。
ここは聞き込みして監視カメラ調べたら写ってないことが直ぐに分かる。会ってないこともすぐ分かる。アリバイ崩れて水の泡。だから聞き込みしなかったということですかね?見てる限り聞きこみはしてなかったと思います。こういう手法はいいんですかね?
私、細かいことがものすごく気になるタチでして、自分が書くとなれば絶対調べさせてしまいます。
気づいてた人いないんなら私も今後使っちゃおっかなーって思いました。