“ コウノドリ #03 ” TBS-Fri-22

前回、事故に遭った妊婦を助けるか、お腹の中の子供を助けるかで苦悩した鴻鳥。今回は「先天性風しん症候群」という聞いたことのない病気がネタだ。
妊娠中の妊婦が風しんにかかり、それが原因で生まれてきた子供に様々な症状が先天的に出てくるというもの。

 

因みに今回の子供は目が見えない女の子(ハルカ)だ。

話はそれるが子供の母親は石田ひかり。久しぶりだな…しかしこの人あすなろ白書の時から全然演技成長してなくね?
あんまり演技の良し悪しは言わないんだけど、ものすげー棒読み。

 

それはさておき、今回はOPの女の子の話の前に前回からチョコチョコ出てた喫煙妊婦の緊急オペから。何だかこのオペ五年前のオペに状況が似通っているらしい。冷静な四宮先生が動揺している。
これまで断片的に四宮先生の回想・フラッシュで描かれていた過去なのだが、
この五年前の手術が四宮先生を変えてしまったらしい。主人公ではなくライバルという感じの先生に失敗の過去があり、それにより性格や考え方が変わってしまったという設定はそう珍しくない。医龍の麻酔科医、荒瀬先生もそんな感じだ。

だが主人公だけ色々過去を背負っているというのは医療の現場では不自然に感じるので、よくある話だとしても四宮先生の過去物語はそれなりに意味があるのかもしれない。

 

その五年前のオペの話なのだが、今回の緊急オペと同じく「常位胎盤早期剥離」…男の私には馴染みのない名前だが、これは妊婦の喫煙が大きく影響するらしい。だがこうなると大量の出血を伴い妊婦はかなり危険な状態になるようだ。
そこで妊婦を救う処置として子宮の摘出が用いられるらしいのだが、ここでも究極の選択を強いられる。子宮を摘出すれば妊婦の命は救えるが、その妊婦は二度と子供が産めない体になる。

 

男とすれば命を第一にと即決できるであろう選択でも、女にとってはかなりの決断だろう。
多少リスクをとっても子宮を残す方法を選ぶことも十分有り得る。

五年前の四宮先生は妊婦の「子供を五人は産みたい」という希望を聞いており子宮を残したいという思いが判断を鈍らせた。
結果、その妊婦は死に、生まれてきた子供は生まれながらに植物状態ということになってしまった。
これらの経緯から四宮先生は妊婦にいくら嫌われようとも喫煙を止めさせようとする、又は妊婦の健康に厳しい先生となった。


さて、緊急オペが一段落した中盤、OPにあった目の見えない女の子(ハルカ)の話へ。依頼されていたテレビ出演を断ると決めた母親。

だがここで面白かったのは心配する母親をよそにハルカはそんな母親が自分の心配をしていることを心配している所。女の子はやはり思ったよりもオトナだ。両親が自分のことで揉めるのを敏感に感じ取り、それを嫌がりオトナの対応をする。

 

クライマックス、ハルカの誕生日に鴻鳥先生が密かに変装をして行っているピアノの演奏会へ。そこでハルカは鴻鳥先生とともにピアノを引くことに。母親はそれに少し心配を抱くのだが、無事演奏をやりとげたハルカ。ここでも親が心配するほど子供は子供じゃなかったということですね。


さらに断ったとされていたテレビ出演も出ることにしたようだ。

今回は風しん予防についての注意喚起も行われた。少子化をたどる現代の日本の問題点をベースに流しながらドラマを作り上げていて、視聴率はどうか知らないが色々ためになる内容とも言える。

 

2本立ての内容だったが、テーマとしては「生まれてくる子供は妊婦の体調を強く受ける」ということ。
子供が生まれてくるという事が当たり前のように思ってしまっている我々へ、
「出産はそれだけで奇跡」だということを違う事例を持って描いた回だった。